エレミア書 2018 9 2

主は、こう言われる。
知恵ある者は、その知恵を誇るな。
力ある者は、その力を誇るな。
富ある者は、その富を誇るな。
(旧約聖書 エレミア書 9.22)

書名 日本人だけがなぜ自衛隊の実力に気づかないのか?
著者 スティーブ A. タウン  宝島社

 この本の「はじめに」を見ると、
旧約聖書の詩篇があります。
 「あれっ」と思い、本の表紙を見てみると、
やはり、軍事評論の本でした。
 そこで、私も旧約聖書で好きなところを、
冒頭に書きました。
 さて、この本から興味深いところを取り上げましょう。
それは、日本人と中国人の違いです。
 アメリカ人にとっては、中国人のほうがわかりやすいのです。
中国人は、自分の意見をストレートにぶつけてきます。
 その点では、アメリカ人にとって、
中国人とのビジネスは、やりやすいのです。
 日本人は、その点、何を考えているのか、
わからないことが多いのです。
 しかし、多くのアメリカ人は、
だんだん中国が嫌いになるのです。
 それは、アメリカ人と中国人が非常に似ているからです。
言語の構造も似ています。
主語があって動詞が次に来る。
 アメリカ人にとって、
中国人は、鏡を見ているように似ているので、
だんだん嫌いになってくるのです。
 その点、日本人については、
わかってくると、非常にビジネスがしやすくなります。
 日本人とのビジネスは、
最初のころは、非常に難しい。
何を考えているのかわからないし、
なかなか結論が出ない。
 しかし、いったん決まってしまえば、
日本人は約束を守るし、嘘をつかないし、
賄賂を要求しないし、
裏の話ではなく、公式に説明してくれます。
(引用、以上)
 日本人の特徴については、
「村社会」の伝統が残っているから、
自分の意見をはっきり言わないなど、
文化的な面から指摘があります。
 だから、よく議論しないで、
「村」の「雰囲気」で物事が決まってしまう場合があるでしょう。
 私は、宗教的な面を指摘しておきます。
日本の宗教は、伝統的には、「神道」です。
神道には儀式があっても教義はありません。
 このようなことを書くと、
経典宗教であるユダヤ教、キリスト教、イスラム教から見れば、
非常に驚くことでしょう。
 神道においては、教義は、「輸入」してきた歴史があります。
主に「仏教」の教義が中心となっていますが、
キリスト教の教義も少し入っています。
さすがにユダヤ教の教義は少ないかもしれません。
そういうわけで、日本では、「宗教戦争」は、ほとんどなかったのです。
 「村社会」の日本社会においては、
「以心伝心」で何とかなりますが、
さすがに軍隊においては、「以心伝心」は無理です。
 著者は、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊において、
横のコミュニケーションが悪いと書いています。
 それは、私も気になっています。
「ひょっとして、海上自衛隊と陸上自衛隊の意思疎通よりも、
海上自衛隊とアメリカ海軍との意思疎通のほうがよいのではないか」と思っています。
 その理由は、海上自衛隊とアメリカ海軍は、よく合同演習をやっていますが、
海上自衛隊と陸上自衛隊の合同演習はないからでしょう。
 そもそも、これは伝統なのかもしれません。
明治時代から、日本は、陸軍と海軍の連携がなく、
コミュニケーションもなかったのかもしれません。
 このような歴史があるにせよ、
「縦社会」を廃止して、
陸上自衛隊と海上自衛隊は合同演習を実施したほうがよいでしょう。
 日本は、島国で山岳地帯が多いのです。
島の内部を移動するよりも、海から上陸するという作戦を考えるべきです。
 大災害においても、道路は寸断されているので、
海から上陸して、被災地に駆けつけたほうがよいでしょう。































































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